「日向のかあちゃん特製へしこ」  chad report

伝説のへしこ日本一を探す旅。


初めて私が「へしこ」を食べたのは「漁場の宿はっとり」という民宿の朝ご飯でした。このへしこは、タレントの明石家さんまさんがテレビ番組の中で「日本一のへしこ」と紹介したことでも有名です。
へしこはスライスされた二枚の大根とチーズに挟まれており、チーズの香りが米糠のしょっぱい味と一緒になって口の中で絶妙なデュエットを奏でるような味わいでした。

へしことは若狭美浜の各家庭で発達した長い時間米糠につけた保存食のことで、サバやイワシ、フグなどの魚が使用されます。
各家庭ごとにオリジナルのレシピがあるそうですが「漁場の宿はっとり」ではスライスされた大根やチーズの他にも日本酒を使ったりなどというレシピを持っているそうです。

そして、美浜のへしこを広めるために、日向の漁村4つの民宿の女将たちが集まって「女将の会」を結成し「日向のかあちゃん特製へしこ」というおいしいへしこを製造しています。この会で作られるへしこは年間8000本程、全国各地へと出荷しています。

へしこは有名な米品種「こしひかり」を使った米糠に漬けられ、出来上がるまでには1年間を要します。1年の間、重い石を蓋の上に載せて漬けるのですが、それがはずれていないかなど、女将たちは毎日桶をチェックをするそうです。

へしこの歴史は古く、この地方では冬の休漁期間におけるタンパク源として江戸時代中期頃にはすでに製造をしていたそうです。
ある研究結果によると、へしこにはペプチドが豊富に含まれており、摂取すると免疫力を高めることができるとされています。この話しを聞くと、この地方の人々が長寿であることも不思議ではないと確信できます。

「日向のかあちゃん特製へしこ」と「漁場の宿はっとり」のへしことは、やはり微妙な味の違いがありました。スライスしてそのまま食べるとしたら、地元のお酒「早瀬浦 純米吟醸」と一緒にいただくと風味がさらに増し、とても合います!

地元でしか味わえない体験は非常に重要で、創造性を感じることができる。もしあなたが美浜の海岸に来るとしたら是非地元の食材を試してみて欲しい。台湾人である私たちを温かくもてなしてくれる美浜の人たちの気持ちにも触れることができるはずです。

「日向のかあちゃん特製へしこ」