chad report mahatma

美浜に思う。長い歴史を持つ地方創造戦略とは?

長い歴史を持つ美浜町の地方創生政策

 

新大阪から敦賀まで新幹線に乗り、その後「小浜線」に乗り換え、一時間ほどすると日本海に面した福井県、美浜町に到着します。

 

美浜町は日本海の若狭湾に面しています。三方五湖は海水、塩水、淡水、水質(塩分濃度)と水深のそれぞれの違いから、湖面の色も微妙に違いがあり、自然の美しさを見せてくれます。

美浜は自然のロケーションがすばらしく、湖の岸から山までわずか20分。渓流にはそびえ立つ針葉樹があり、短い時間で山や湖の景色を眺められます。

「レインボーライン山頂公園」に立ち、風景を180度見下ろすと「桃源郷へ瞬間移動した」と思いました。

 

今回は、「観光振興視察」という目的があったのでこの町に来てみましたが、もしかしたら日本人にとってもあまり馴染みの無い印象のある町かもしれません。
美浜町役場の方は、いわゆる「観光名所」的なところ以外にも沢山の体験をさせてくれました。たとえば「渓流の里」での釣りがそうでしたが、ここでは若狭美浜の自然の景色を深く感じることができました。

恵まれた天然の豊富な水資源のおかげで、ここ新庄地区の山沿いには多くの魚たちが生息しています。

 

「渓流の里」の創立者である高木豊氏に話しを聞きました。
彼はもともと建設会社の会社員でしたが、この美しい景色に魅せられて、地元の住民や観光客にも自然の恵みを感じて欲しいと思い立ち、この管理釣り場の事業を始めました。
この河川では、高木さんたちの手で支流が作られ、養殖のメバル、ニジマスなどの魚が放流されています。
釣客は自然の山の景色を楽しみながらのんびりと釣りをすることができるようになっています。
ここで釣った魚は、釣り堀の方か、もしくは自分ですぐにさばくこともできます。
釣った魚を新鮮なまま焼いてビールでパーティーができるのです!私も新鮮な魚をさばいて塩焼きにする方法を教えて貰いました。
私は普段から料理をしますが、スーパーマーケットでは加工した肉を買い、このように飛び跳ねる食材に直面するのは初めてです。
はじめはとても心配でした。おそらく私の手で魚の一生を終わらせてしまう…という罪悪感から、魚を掴んでは、逃がしてしまっていました。
最終的には、魚をなんとか捕まえられて、冷静になって目の前の材料に感謝しながら、ゆっくりと内臓を処理することができました。これは経験は貴重な私の人生の一部になります。このような深い観光体験は、私にとって初めてです。高木さんの言うには、「この場所で魚を釣ってさばく体験した人は、ほぼリピーターになる」とのことでした。
役場の方が教えてくださったのは、彼らにとっての観光促進とは、多くの観光客がこの町でたくさん商品を買うことを望むのではなく、観光客が美浜の美しい自然と楽しい時間を過ごせることだということでした。
この環境を感じて、それを人々に伝えたいというメッセージを感じ、私はそのことにとても感銘を受けました。
そこには訪れる人々を快く迎えたいという地元の人々の願いも含まれています。

▲春夏秋冬様々な表情をみせてくれる自然の川を利用した釣り堀

「人数は重要ではありませんが、この小さな場所に来る人々が本当に気に入り、何度も訪れて四季折々の景色を感じ、それを好きになるには長い時間がかかります。」と、釣り堀のスタッフの方は言っていました。

 

人口10,000人未満の小さな町の、このような長期的な地方創生計画は素晴らしいと感じました。おそらく台湾には、学ぶ価値のある場所がたくさんあるでしょう。

chad report

美濱地方